ポストに入る「お客様います」はおとり広告!不動産の「売却チラシ」を撒く業者の目的と注意点を徹底解説
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〇〇マンション限定でお客様がいますというチラシは、99%がおとり広告です。物件の売却をうながすチラシの危険性や「マンション高値売却」のチラシに騙されない方法について元大手出身のプロが徹底解説していきます。
自宅に「お客様が待っています」というチラシはおとり広告!?
「このマンション限定で探しています!」「お客様が2組待っています。」といったチラシがよくマンションのポストに入るので必ず見たことがあると思います。これは本当なのか?このようなチラシや広告には魅力的な言葉が並べられていますが、実は大手業者だから安心して連絡すると後悔する可能性が高いので注意が必要です。結論からいいますと、99%がウソです。
購入者の予算も高めに記載されているので、「高く売れるかも」という錯覚するのを狙っています。このようなチラシをみると早く売らないとという意識が強く働いて、本当と思ってしまいがちです。売却物件募集のおとりチラシに記載されているのは、「このマンション限定で購入希望のお客様がいます!」や「○万円で即金買取!」といったキャッチで、お客様A様・・・、お客様B様・・・のような感じで思わず信じてしまいたい内容です。
業者の中には、不動産会社の担当者が直筆で書いた手紙風の汚いチラシで「こちらのマンション限定で購入をご希望。ご予算は○万円までです」といった感じで、どのおとりチラシも共通して信憑性を高めるために具体的な購入希望者像をイメージできるように作文しています。
すぐにでも購入してもらえそうな内容ですが、実は、これらのチラシやネット上の購入希望者は作文であることが普通です。
「このマンション限定で探している」チラシの目的とは
売却物件募集のチラシや〇〇マンション限定のお客様がいますというチラシを見ると、多くの方は「このマンションは人気があるんだ」「高値で売れるかも」と錯覚し、疑いもせずに連絡してしまうことを狙っています。
この「高値で売れる!ここで売ってみよう!」と思わせることこそが、おとりチラシの目的です。普通に売却物件募集のチラシを配布しても連絡をしてくる人はなかなか現れませんので、すぐに、しかも高く買ってくれそうなあるいは高く売ってくれそうな雰囲気を出して売却物件を集めています。
マンションによっては管理人が厳しく、チラシの投函を取り締まっているケースも増えてきました。それでも、管理人が帰ったスキをついてチラシをまきます。
実際、チラシを受け取った人は自分のマンションがこんなに高値で売れるなら売却を検討してみようといかに思わせるかという工夫をしながら作文を作り込んでいきます。
つまり、耳障りのよい言葉ならべて何とかマンションの所有者から連絡を貰おうと考えているのです。
最近、30代、40代の購入希望者は、スマホで物件探しを行います。それでも、表面が「売り求むチラシ」裏面に物件を掲載していたりします。チラシをまく1番の目的は、売却物件を獲得することです。割高な物件を掲載することにより、売却意欲を駆り立てます。
デジタル化が進みスマートフォン1つで「マンションの売り出し情報」を調べられるこの時代に、チラシをまく理由は、依然として、チラシから反響があるからです。
まだ、売却を検討している方が、購入者層より年齢層が高いために、ネットに不慣れで、連絡してしまう方が多いためだと思われます。もう10年もすれば、チラシの効果がどんどんなくなるので、無駄なチラシは減っていくとは思います。
「このマンション限定で探しています。」というチラシをまく目的は、情報弱者や「ウマイ話」を、すぐ信じてしまう方をターゲットに狙っています。
ワンルームマンション投資の電話営業でひっかかったり、霊感商法にひかかったりする理屈と同じような気がします。
人の言葉を信用しやすい世間知らず層を効率的に集めるためには、チラシをまくことが一定の効果があります。
騙されないように注意が必要です。
限定チラシ・求むチラシを撒いていいる目的は元付け業者として両手取引を狙いたいからです。
幾らくらいで売れるかという相場を知りたいだけであれば、スーモなどの不動産ポータルサイトを見てみると、マンションの場合、おおよその価格は把握できます。
マンションの相場は、プロに聞く必要はありません。素人でも、スーモやホームズ等のポータルサイトを見続けていると必ずわかるようになります。
マンション価格は、スペックが決めれば、広さや向き、階数等で簡単に判断できます。そんなに難しいものではありません。
マンションで、一括査定サイト等を利用して査定する必要はないと思います。一括査定サイトが無料だからと言ってポチっとすると、営業攻撃・電話攻撃が凄まじい勢いでくるだけなので、会社、特に営業マンを絞り込んで、話を聞くのがマンション売却の鉄則です。
なぜ嘘をついてまで「売却物件」を探さないといけないのか?
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答えは簡単です。両手取引を狙っているからです。
求むチラシを撒いている目的とつながりますが、元付け業者として、売却依頼を受けると、両手取引を狙うことができます。
つまり、不動産仲介というビジネスを優位に進めることができます。
売却物件を取得することを物上げといいます。売却物件をおさえると最低限、売主からの仲介手数料が手に入ります。必ず専任媒介契約以上を要求してきます。物上げした物件が、売れる売り上げの読める物件の場合、両手取引を狙います。
両手取引をすれば、仲介手数料は2倍になります。また、売却の仲介だけでなく物件の買取も狙います。買い取りも両手取引になります。物件の買取ができれば再販して両手になればさらに儲けることができるので、仲介手数料が4倍になります。一番理想は、買い取りで再販することとすべての営業マンは考えています。大手業者が常に売却物件を探すことに力をいれている理由はそこになります。
不動産会社が売却物件を探す方法は、おとりチラシや広告以外にも、多いのがDM(ダイレクトメール)で電話や訪問などをすることもあります。
物件の登記情報を法務局で調べてDMを送ったりします。
最近、ダイレクトメールが郵送されてくることが多いと思います。
また、不動産一括査定サイトに不動産仲介会社が群がる理由と「〇〇マンション限定でお客様います。」チラシをまく理由は全く同じです。
また、不動産一括査定サイトに登録してお金を支払って査定希望者の情報を得ることができます。一括査定サイトは、マーケティング領域が得意な会社やアフイリエイターがサイトを運営して仲介会社からお金を巻き上げています。送客ビジネスです。20人の売却希望者の情報を得て、1人くらい媒介契約が結べるくらいの確率です。
関連記事:両手取引と片手取引の違いは?それぞれのメリット・デメリットの最低限知っておくべきこと
不動産仲介会社の仲介手数料(売り上げ)の仕組みの理解が必要
売却物件を探す一番の目的は、仲介手数料が倍になる両手取引を虎視眈々と狙っています。だから、不動産会社の悪質な行為「囲い込み」が水面下で横行しているのが現実です。大手仲介会社の取引の6割くらいは両手取引によるものです。大手業者ほど売り上げのノルマが高く両手取引の意識は高くなっています。
不動産会社が仲介手数料を得られる仕組みについて掘り下げて説明していきます。
不動産会社の「囲い込み」って?初めて売却をする方は、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、水面下では必ずよくあることなので、どういうことか売却を考えている方は絶対に知っておかないといけない言葉です。
しかし、知っていたとしても水面下で起こることなので、ほとんどの方は、気づくことはありません。
関連記事:【最新】囲い込みのテクニック!マンション売却時の注意点と大手業者の悪習の手口
そもそも仲介手数料の仕組みは、不動産会社は、売主と買主、それぞれの仲介で仲介手数料を得ることができます。売主側と買主側では、仲介手数料の入り方が違います。
売主は、売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。窓口が1社の不動産会社としか契約することができない専任媒介いもしくは専属専任のどちらかを営業トークを駆使して、媒介契約を結べば売主様より確実に仲介手数料が得られます。
しかし、物件を探している購入の顧客(買主)は、不動産会社と仲介を依頼するための媒介契約を結ばないので、物件を紹介して契約にならない限り、仲介手数料が入ってくることはありません。
売却物件をおさえることのメリットの本質はこれだけではありません。
一番の狙いは両手仲介であれば仲介手数料が2倍になるということです。
1つの仲介会社が、買主と売主、両方の仲介をすることを「両手仲介」と呼びます。この両手仲介を実現するためにも、まず売り物件を確保することができなければ、両手取引になることはありません。そして仲介会社にとって一番狙っているのが買い取りです。買い取り業者からも仲介手数料をもらいます。だから両手になります。
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そしてその物件を専任で販売すれば、もう一回両手が狙えることになり、最大手数料が4倍になります。両手取引に強いこだわりがないと売り上げをあげることができない仕組みになっています。そして大手業者の場合、毎月300万円~500万円のノルマが両手取引の意識に拍車をかけるので、営業レベルのモラル意識だけでは、どうしようもない構造的問題となっています。
両手比率の低い営業マンは必然的に売り上げが悪くなります。だから両手比率を高くするためにはどうすればいいのかを徹底的に考え戦略を練っていきます。
つまり、両手取引を狙うため、不動産仲介会社はあの手この手を使って、売却物件を手に入れようとしているということです。このことを知った上で、販売活動をしなければいけません。両手を狙う営業マンは、値段が下がって売ろうが、痛みはなく、売主だけが痛みを負うことになります。値段を下げてでも両手取引を狙おうとします。
両手仲介を狙う不動産会社の悪質な行為が「囲い込み」と呼ばれるものです。
囲い込みとは、売却の仲介依頼を受けた不動産会社が、自社で買主を見つけて両手仲介をするために、ほかの不動産会社からの購入希望者の紹介を勝手に断ったり、邪魔したりする行為のことで、業界全体で水面下ではびこっています。ごく当たり前に行われていますが、表沙汰にならないため気づかないことがほとんどです。
依頼した業者のお客さんばかりしか案内がないといった場合や、依頼した業者しか広告をしていないといった場合は、水面下で起こっている可能性があります。ある大手の場合、専任媒介の場合、自動的に他社が広告をすることはできなくなります。巧妙に案内を断ります。
囲い込みをされると、売れにくくなるだけでなく、好条件の買主を逃し売り時を逃す可能性がでてきます。囲い込みは、構造的な問題で業界では当たり前にあるという認識を持つことが大切です。
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おとりチラシに連絡してしまった場合どんなことが起きるのか?
では、おとりチラシまたは一括査定に騙されて連絡をしてしまった場合、どうなるのかを解説していきます。一括査定は、マーケティング領域が得意な会社もしくは、アフィリエイターによって、運営されていて、送客されるとチャリンとなる仕組みです。
一番多いパターンが下記になります。
限定で探していますチラシまたは一括査定
↓
高い査定額を提示されその気にさせて売却をすすめられる
※相場とかけ離れた金額で査定されることがよくあります。
媒介契約を専任以上で勝ち取るために、まず不動産会社の担当者から高い査定額を提示され、売却をすすめられます。つまり高い査定額を提示した方が、金額につられてしまう方も多いため媒介契約を勝ち取れる確率が高くなるからです。その際、「すぐに案内させてください」「具体的なお客さんがいます」「すぐに高く売れるので、今ならいい条件で住み替えができる」といったおいしい話が持ち出され、いきおいにおされて、ついつい媒介契約に署名をしてしまうことになります。
査定額は口ではなんとでも言うことができます。高い査定額を出したとしてもその金額で、仲介会社が買い取るわけではありません。そして、仮に売れなくても仲介会社が困ることはありません。
高すぎる金額で出すと、最初は物珍しさで内覧の可能性はゼロではありません。しかししばらくするとピタッと動きが止まります。結局、値段をどんどん下げざるを得なくなります。これを最初から狙って高値の査定をします。
結果として、売り時を逃し、安く売らざるを得なくなります。
相場と書け離れた金額で売りに出しても、その額で売れることはまずありません。結果として不動産会社から値下げを要求され、思っていたよりも低い金額で売ることになる確率が非常に高くなります。こういった高値で提案する場合、値下げ要求をすることを最初から計算に入っています。これを値ごなしと呼んでいます。
また、不動産会社によっては売却の際に「買取保証」をつけるパターンの営業トークがあります。これは、一般の仲介で売りに出して一定期間(半年くらいまで)売れなかった場合、不動産会社が買い取るというものです。結局、買取価格は相場価格の7割程度であることがほとんどのため、結局売主が損をしてしまうことになります。
最初から、到底仲介では売れない価格で売りに出して、結局売れなかったとして、相場より低い価格で買い取ることを狙っています。買い取り保証の金額が妥当か確認する必要があります。
悪質な営業マンに注意!チラシの連絡先に電話したらどうなる?
高い査定額を提示される
「お客様います。マンションを売ってください」といったチラシには予算〇〇〇万円でという具体的な金額が書かれていることがあります。この金額は、相場より高い金額が書かれているのが一般的です。
当然、実際に連絡をして査定を受けることになった場合でも、相場より高い査定額を提示されることになります。そして、チラシに記載があった内容のお客様の話をすると、適当な理由をつけて、だめになったのようなニュアンスの話か、もしくは、サクラのお客様をつれていくかということになるでしょう。
査定額はあくまでも査定額であり、実際に売れる額ではありません。
高い額で売却できず相場より安く売ることになる
高い査定額を提示されたとしても相場とかけ離れた高い金額が設定されていては、そのまま売却が決まることは、100%ありません。
実際に売りに出しても、売れないと値下げするしかありません。その営業マンは、売り手がしびれをきらすことを待っています。
売却が長期化すると「売れ残り感」が出てしまいます。
これにより、買い手は、売れていないのは何かあるのではと考えてしまいます。最初から相場程度の価格で売りに出すよりも最終的な売却価格が安くなってしまうことがよくあります。
売主としては、最初にチラシに投函された額と大きな開きが出てしまうこともあり、こんなはずではなかったと後悔することになります。
騙されずにマンション売却を成功させる方法は
マンション売却成功の鉄則は、味方になってくれる営業マンを見つけることができるかどうかがカギです。もう一つが、マンション売却の場合、専任媒介ではなく一般媒介にすることです。
この2点さえ守っていれば、大きく失敗することはありません。
関連記事:マンション売却は、一般媒介と専任媒介どっちがいい?早く高く売るにはどっち?どう違うの?
具体的にマンションを売却する時の思考の手順を説明します。
売却の動機を明確にして、早期売却に軸をおくか、高く売れることに軸をおくかで、戦略が変わってきます。
売却の目的が「高く売る」ことなのか「早く売る」ことなのかによって、スケジュール感や目標とする価格が全く違ってきます。
売却の目的が明確であれば、いつくらいまでにいくらくらいで売れればとイメージがわいてきます。いくらくらいにというイメージを高めていくためにはまず相場を知ることからスタートです。
また、査定前に相場を調べておくと言うことは、鉄則です。相場感のない受け答えをするとつけ込まれるスキを与えます。査定額が本当に適切かどうかを判断することができ、まかせるに値するかどうかの見極めができます。
査定時に確認すべきは、適正価格です。適正価格を言及しない営業マンも多いので、売れる金額をきっちり把握することが大切です。
査定前にスーモやホームズ等の売り出し価格で相場感を養う時の注意点として、売り出し価格=成約価格というわけではないという点だけ意識しておかなければいけません。
現在売り出し中の物件は、値切りしろをつけて販売しています。つまり値引き分を見込んで相場よりも高めの価格で設定して販売されています。最後に80万円がつくのは、スーパーと同じ感覚です。売りやすくするためです。現在売り出されている物件の価格ばっかり見ていても、つまり結局売れていない価格とにらめっこしていてもいつまでたっても売れることはありません。売れる金額は成約価格から売れる金額を導き出さなければいけません。
マンションなどの不動産の売却で失敗しないためには、信頼できる営業マンに売却をまかせることが何よりも大切です。
不動産の取引は、ひとりの営業マンだけで取引のすべてを完結させることができます。だから取引の成功は、営業マンの腕に帰属します。
おとりチラシを使うような不動産会社や営業マンが、誠実に売却活動してくれる可能性は低いです。できるだけ多くの営業マンに売却の相談をして、営業マンのレベルを判断し、信頼できる営業マンに売却を依頼することがおすすめです。
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チラシに踊らされず慎重に不動産会社や営業マンを選ぶ
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チラシや一括査定に安易に飛びついてはいけないことは理解したとしても、マンションを売却する時に、どうやって営業マンを選べばよいの?と考える方も多いと思います。
答えは簡単で、誠実な営業マンを選ぶということです。しかし、それだけでは、確実に失敗します。誠実そうに見えても、大手業者では月に300万円~500万円のノルマがあるので、裏の顔と表の顔は違います。様々な角度の質問で、本音をあぶり出していくしか方法はありません。
味方になってくれる営業マンをみつければ、マンション売却は成功したも同然となります。抑止力をつけるために、専任ではなく一般媒介にしておくことも大切です。
まとめ
「高く買うお客様がいます」「お客様がまっています」「このマンション限定で探しています」といったチラシや広告は不動産会社が売却物件を集めたいための作文であることが多く、売却依頼したところで、高く売れることはまずありません。
逆に囲い込みにあったりして、安く売らざるを得なくなる可能性も高いので、そのようなチラシに鵜呑みにせず、慎重に行うことが大切です。
まず、相場をきっちりと把握するところから始めましょう。
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