マンション売却、リフォームしてから売るべき?必要性と注意点を解説
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リフォームなどをして 多少売却金額を上げて販売した方がいいのか? そのままの状態で販売して値引きに応じて販売するのか?悩んでいる方は多いと思います。 もう一つの売却の悩みが、専任媒介契約が切れたら、一般に変えて窓口を増やした方がいいのか?そのまま継続して販売を依頼するのがよいのか? というこの2点で悩まれる方は多いと思います。今回は、リフォームをして売却すべきかについて不動産業界歴20年以上のプロが徹底解説していきます。
まず結論からいいますと、原則、リフォームはしなくてもOKです。
買う人の目線で考えるとリフォームすべきかみえてくる!
購入を考えている人は安くしかも賢く買いたいという気持ちを強く持っています。いつも取引をしていて感じることは、買い手と売り手には、温度差が必ずあります。売り手は少しでも高く売りたい、買い手は少しでも安く売りたいという相反する気持ちを持っています。
買い手の物件(マンション)を絞り込んでいくポイントは3つです。
立地(場所)・価格(予算)・広さ(間取り)
マンションを販売するとき、この3つをおさえて営業するのが営業マンの基本です。買い手の優先順位が頭の中で整理され、バランスが満たされ、未来が見えた時、購入に踏み切ります。
未来を見せる力は、営業マンの力量です。
リフォームしない方がよい理由の1番の理由は、お金をかけても、お金をかけた分を販売価格にのせて回収することができないという点です。
2番目の理由は、買い手のニーズに合わないリフォームであれば、また、買い手は一から自分でリフォームをしなければならなくなるからです。不要なリフォームで価格が高くなっているのに加えさらに、リフォーム費用が必要になり完全に予算オーバーになってしまい、見込み客を失うリスクがあることです。
また、マンション売却時にリフォームしない方がよい理由の一つに、価格を上げると集客力が落ちるという点があります。買い手が、マンションを探すとき、当然、立地から入ります。売却しようとするマンションは、立地は動かすことはできません。次に絞り込んでいくとき、予算や築年数で絞り込んでいきます。最後に間取り(広さ)をみて、ちょっと狭いから、見学するのはやめておこうとか、ちょっと間取りは好みではないが専有面積的に広さは満たしているので、とりあえず見るだけ見てみようとかそんな感じで絞り込みをかけていきます。
中古マンションの価格でよく最後が80万円とか90万円とかになっているのは、スーパーでみる価格のつけ方と同じで、お得感を演出するためです。
マンションの販売で価格・予算は重要です。例えば、3980万円で販売するのと、200万円リフォームして元を取りたいからといって200万円のせると4180万円の売り出しスタートになります。
仮に4000万円までの予算で探している場合、スーモやホームズのポータルサイトで検索しても、検索にはひっかかりません。
リフォームすると、チラシやネット広告に「リフォーム済み」と表記できるため、買い手の興味を惹けるメリットがあります。しかし、逆に価格という点で、集客が落ちるリスクの方が大きいということです。予算を4000万円に設定している人は検討から除外されます。予算(価格)は毎月の支払い額に直結するため、そう簡単に変えられません。デメリットの方が大きくなる可能性が高いです。
売却時のリフォームは原則として不要!
マンションの売却を考える時、売り手は自宅には強い思い入れがあります。買い手には気持ちよくきれいな状態で引き渡したいという気持ちも生まれます。当然、少しでも高く売りたいという気持ちも強くでてきます。マンションの売却を考えたとき、設備関係が古いと、「リフォームした方が高く売れるのかな?」と考える方は多くいらっしゃいます。
しかし、リフォームしてキレイにすると、当然、買い手への印象はいいですが、原則としてリフォームはしない方が手残りは多くなる可能性は高いです。
要はお金をかけなくても室内をよく見せられます。室内の印象さえよくできれば、わざわざリフォームする必要はないのが原理原則です。
売却時にリフォームが不要な理由
上記のようにマンションを売却するとき、リフォームが不要な理由は大きく分けて3つあります。
ひとつ目は、近隣の相場を考慮するとリフォーム価格を物件価格に上乗せできないリスクが大きい点。ふたつ目は、買い手のニーズに合わないリフォームによって、見込み客の選択肢から外されてしまうリスクがあることです。
自己判断で安易にフルリフォームをしてしまうと、売り出し時にふたつのリスクを抱えてしまいます。まずは、このふたつのリスクについて解説します。
1.売却価格に上乗せできない
マンションの主流である70㎡~75㎡の3LDKの間取りをフルリフォームすると、300万円~500万円の費用がかかります。しかし、フルリフォーム費用を物件価格に上乗せした価格での売却は、かなり難しいです。
中古マンションは、近隣の値段のバランスによって成約していきます。築浅の中古マンションは、新築マンションの値段と連動して成約していきます。築年数の古いマンションは、築浅のマンションとの値段のバランスによって成約していきます。
2022年現在、中古マンションが上昇しているのは、新築マンションが、資材の高騰と歴史的な低金利によって、上昇し続けたため、新築によって吊り上げられている状況です。マンション全体が、吊り上げられています。マンションの価値は、8割くらいは立地で決まりますので、ロケーションが悪いマンションの場合、値上がり率がかなり悪いです。ロケーションがいいと投機的な動きも出てくるため、値上がり率は高くなります。当然、新築価格が下がれば、中古マンションも下がることになります。
リフォームをしても立地や広さ(専有面積)や築年数は変えることはできません。比較の前提となる立地・広さ・築年数が同じくらいの競合物件があるとすれば、近隣の競合物件より数百万円も高くなってしまうと当然、割高感を感じ売れにくくなってしまいます。割安感を演出できないと商談は前に進みません。
実際にリフォームにかかった価格を回収しようと思うと、相場より高く売れないと、損をすることになります。買い手がその価格までついてこない可能性が高いです。
買取を専門としているリノベーション業者は、基本的に相場よりかなり安く仕入れをしています。かつ、リフォームを格安でできる仕組み(継続発注)があり、そこに利益をのせて、販売しています。買い手が相場の価格にプラスしてリフォームするより割安になるようにした価格設定から逆算してマンションを仕入しています。かつ、付加価値を生み出すノウハウがあります。最悪、薄い利益で逃げ切ります。つまり、個人でフルリフォームして、回収しようとするのはリスクが高すぎるということです。
買取再販業者のリノベーション物件が高値で売れているケースがありますが、営業マンのモチベーションも大きな影響を与えていると考えられます。業者のリノベーション・リフォーム済物件を契約した場合、業者からも手数料が支払われ両手取引になり仲介手数料が2倍になるからです。
2.買い手のニーズに合わないリスク
こだわりの強い買い手ほど不利になります。ダメ出しされて、終わってしまうかもしれません。
リフォームを前提に検討している買い手にとって「無駄なリフォーム」になるケースがあります。
中古マンション購入を検討している人は、購入後にリフォームを検討している人が増えているからです。リフォーム前提で購入を考えている人は、こだわりを持った理想の間取り・内装にしたいと考えていることが多いです。
このようなこだわりを持った人にとって、好みでないリフォーム物件は、無駄なリフォームでしかなく、少しでも安く物件を手に入れられる方が、買い手にとっては大きなメリットになります。
想定範囲の故障・不具合・汚さであれば、買い手は価格が安いことで故障・不具合・汚さのマイナス面を納得した上、自分好みのリフォームをする前提で購入しようとする方が多くなっています。解決できない「不」の部分(立地や予算・間取り・階数・向き・築年数・管理状況等での不満)がない限り、問題なく購入に踏み切ります。値段交渉に応じてあげる方が、賢く売却できます。
3.売り出し価格が高くなり不利になる
売却価格に上乗せできない理由とかぶってくる部分もありますが、確実に価格面で不利になります。買い手は、お得感を感じる物件を血眼になって探しています。割高感がでてしまうと、引き合いも弱くなり、成約率も間違いなく下がります。
仲介会社のグループ会社もしくは別の事業部にリフォーム会社・事業部があれば、工事を取りたがるかもしれません。必ず費用対効果を冷静に考え動いていくことが大切です。
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リフォームが効果的な場合、化粧して売るのはあり!
売却時のリフォームは原則としてしない方がいいですが、すべてのリフォームがダメというわけではありません。内見時の印象を少しでも良くするために、リフォームが効果的な場合もあります。
安く、見栄えがよくなるプチリフォーム
フルリフォームのような高額なリフォームは費用の回収が難しいですが、安い費用で物件の見栄えがよくなるリフォームであれば、内覧時の印象がよくなるため、費用対効果が合うと思います。
例えば、たばこで、黒ずんだクロスになっている場合、ピンポイントでそこだけ量産タイプの安いクロスを張り替えるだけで、見栄えが全然違ってきます。
あまりにも印象が悪くなるレベルであれば、お金をできるだけかけずに、ピンポイントでリフォームやハウスクリーニングを行い、見た目の印象をよくするだけで、全く違った結果になります。
畳の表替えやふすまの張替えも、ボロボロにやぶれていて印象が悪いようでしたらコスト的には高くないので、見栄えをよくするというのは効果的です。少しですが、生活感を払拭できます。また、キッチンのコンロだけ入れ替えても印象が結構変わります。
水回りは、新調してしまうとコストが高すぎるため、費用対効果という視点では、水垢のついた鏡だけ入れ替えるとか、洗面台はそれほど高くないので、洗面台だけ新調するとか費用対効果を考えながらピンポイントで、プチリフォームすると印象が変わります。
あとは、整理・整頓・掃除をするだけでかなり印象がかわります。
費用対効果を考え、営業マンと相談しながら決める
リフォームを考えるときに、自己判断で行わず、営業マンの知見を参考に費用対効果を相談しながら行うのが無難です。
無駄のない効果的なリフォームのノウハウ・知見のある営業マンといっしょに考えることにより、早期売却が可能になります。
自分の住み心地を追求した趣味嗜好の強い自己満足のリフォームをするのではなく、ニーズをとらえ効果的にしなければいけません。
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リフォームの費用感はどんな感じ?
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主なリフォーム費用の目安
では実際にリフォームにはいくら位かかるのか、リフォーム費用の目安です。
システムキッチン | 50〜200万円(キッチンはピンキリです。) |
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ユニットバス | 50〜150万円 |
トイレ | 15〜50万円 |
洗面化粧台 | 10〜50万円 |
フローリング6帖 | 6〜18万円 |
クロス6帖 | 4〜8万円 |
リフォームの内容と費用について
クロスの張替えは6帖で4~8万円
クロスの張替えは、素材によって費用に差が出ますが、相場は6帖で4万円~8万円程度です。クロスは量産タイプの白いクロスが最も安く、全面的な張替えをしてもそれほど費用はかかりません。相場は全面的に張り替えで30万円~50万円程度が目安です。
キッチンのリフォームは50~200万円程度
キッチンは設備のグレードによりピンキリです。グレードの高い「システムキッチン」を採用すると、その分費用も高くなります。システムキッチンに取り換える場合、50~200万程度くらいが目安です。
トイレのリフォームは約15万円~50万円
トイレのリフォームの相場は約15万円~50万円程度が目安です。
洗面所のリフォームは10万円~50万円程度
洗面所のリフォームの相場は20万円程度ですが、これはリフォーム内容によって異なります。シンプルな洗面台なら費用はそれほどかかりません。グレードの高い洗面台を採用すると相場以上の費用がかかる場合があります。最低限の機能を備えたシンプルな商品を選ぶと、20万円以下での設置も可能です。
浴室のリフォームは50~150万円程度
浴室のリフォームは相場の幅が広く、目安は50~150万円程度です。ユニットバスからユニットバスへの工事は80万円くらいでおさまることが多いです。
ハウスクリーニングを効果的に行う方法
費用対効果を考え、効率よくハウスクリーニングを行うには、水回りに絞るとコストが下がります。
キッチン・浴室・トイレなどの水回りは、プロと素人でクリーニングの質に差が出やすい場所です。市販で売られているものでは、限界があります。
マンションをリフォームしてから売却するときの注意点
費用対効果を考えて費用をかけすぎない
リフォームにお金をかけすぎると売却価格が高くなり、物件が売れ残ってしまうリスクがあります。
売れ残ってしまえば、あせりがでてきて、結果として値下げせざるを得なくなってしまいます。できれば、10万円~20万円くらいには抑えて、高くても50万円までの適度なリフォームで、見栄えをよくする工夫をしなければいけません。
自分で水回りのこびりついた水垢等取るのが難しい場合、水回りつまり浴室や洗面台やキッチンの汚れなどは、ハウスクリーニングを利用することでかなり見栄えがよくなります。
自己満足なリフォームではなくニーズあるリフォームをする
結局、買い手が気に入るリフォームをしなければいけません。ニーズのないことをしても無駄になるだけなので、自分の趣味嗜好は、考えずに、売れやすいか売れにくいかという視点を重視してリフォームすることが大切です。
まずは信頼できる営業マンを探そう
中古マンションの売却を成功させるためには、信頼できる営業マンをみつけることができるかにかかっています。
まずは、相場を把握するところからスタートです。次に、査定を依頼して適正価格をつかんでいきます。
マンションの場合、専門的な知識がなくても、近隣のマンションの売り出しの状況をみていると、大まかな相場感がつかめます。競合に勝つためには、売り出し価格を適切に設定することが大切です。売り時を逃さないように、様々な工夫と戦略が必要になります。
同じ会社でも営業マンのサービスの質はそれぞれピンキリです。大手、中小を問わず非常に離職率が高くしばらくして連絡するといなくなっていることが多い業界です。大半の営業マンは、売り上げのことしか考えていません。売り手の目線で、適切なアドバイスを親身に行ってくれる営業マンを探すことが、マンション売却成功の第一歩です。
まとめ
まず、原理原則は、マンション売却時、リフォームは必要ありません。お金をかけた分を値段にのせることができないからです。仮にかかった費用をのせると割高なマンションになってしまいます。リフォームをして買い手のニーズにあわなければ、無駄骨となります。
リフォームをお金がそれほどかからないレベルでピンポイントにした方がいいケースがあります。それは、あまりにも見栄えが悪く、第一印象が悪くなるレベルの時です。それほどお金をかけずに、少し手をいれるだけで、見栄えは大きく変わります。費用対効果を考えながら、すすめないともったいないことになります。知見のある営業マンに、相談しながらすすめていくのがベストです。それだけで、早期の高値売却の可能性が一気に高まります。
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