建て替えできるマンションに共通点がある!深刻なスラム化が進むマンション選びの鉄則
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一昔前と、現在では、マンション探しの方法や選び方は大きく違っています。社会的背景が大きく違っているためです。できる限りリスクのあるマンションを避けるために、建て替えができるマンションの共通点やマンションの探し方について、不動産業界歴20年以上のプロが、経験をもとに、徹底解説していきます。
建て替えできているマンションには共通点がある
基本的には、分譲マンションは、建て替えができません。建て替えのハードルが非常に高いためです。建て替えはできないと思ってマンション探しをすることが大切です。建て替えができると考えることは現実的ではなく幻でしかありません。
建て替えができている場合、元の区分所有者は負担額が「0円」になっているケースがほとんどです。 それだけ、建て替えのハードルは高いといえます。
現実問題として、元の区分所有者が全員同意しないと、建て替えは難く、経済力のない人でも「0円」だったら全員が同意できるからです。
建て替えができるマンションの共通点は、容積率がたっぷり余っているマンションです。もう一つは、住民みんなが、建て替えしてでも住み続けたいと思える立地と住民みんなが建築費を捻出できるマンションです。
基本的には、政治・行政主導で、容積率を緩和する特別な特区をつくって容積率を緩和しない限り、建て替えはムリと考えた方がいいと思います。
仮にそのような制度ができたとしても、その特区に指定されなかったマンションは、スラム化していく流れになると思います。
これから、10年後、20年後スラム化したマンションの問題が間違いなく社会問題に発展すると感じています。
古いマンションを建て替える場合は、その区分所有者が事業協力者になり、千里ニュータウンの建て替えマンションでは、販売されていない住戸は、地権者の住戸です。
負担額がゼロ円のカラクリは、 余った容積率を利用するもので、敷地の広いエレベータのない5階建てで容積率が余っていて、間に入るデベロッパーが、5階建てを15階建てとかにして、残りの住戸を販売した売り上げによって、解体費用や建築費、広告費、設計料などすべての費用をまかなった上に、利益まで計上することが可能であることが大前提となります。
当社がある大阪の北摂エリアでは、千里ニュータウンで敷地のわりに5階建てで戸数が少なく、土地の持ち分をみると、かなりいい立地にもかかわらず土地の持ち分が、10坪くらいあったので、上記記述のような等価交換により、スムーズに建て替えが行われた事例が多数ございます。タダで建て替えができるとしても、千里ニュータウンの建て替えの事例をみていると、分譲会社がいくらで、その土地の持ち分で買い取るのか、なかなか商談がまとまらず、建て替えが難航していました。タダでも、建て替えはすんなりといかないことを考えると、お金がかかるとなるとかなりハードルが高いといえます。
北摂エリアには、まだタダで建て替えの可能なマンションはございますが、ほとんどは、容積率いっぱいに建てられているのでタダでは難しいと思っておいた方がいいと思います。建て替えも、マンション価格がバブル的に高騰しているタイミングが実現できることになる狙い目となります。
例えば「数年以上前に建て替えを検討したけれど、1住戸2000万円以上の負担がかかることが分かって、話がまとまらなかった」というケースはよくあると思います。マンションの相場が高いうちにデベロッパーを何社か呼んで、お金の負担を最小限になるよう指値して交渉して、そこそこの金額であれば妥協して前に進めるくらいの感じでないと建て替えはかなり難しいと思います。
マンション相場が下落して、建築費は上昇し続けるとなれば、ほぼ建て替えは不可能となります。絶望的になります。そういったことを考えると建て替えが無理なので現時点では、マンションは維持修繕(メインテナンス)をきっちりして、少しでも長く維持できるように励むことが一番の解決策になります。
また民間の分譲マンションで、容積率がそれほど余裕がなくても、建て替えができているもう一つの共通点は、ロケーションがよく、住んでいる方のそのマンションへの愛着がかなり強いということです。また、資金的な面でもクリアしているマンションです。
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マンション解体して建築にどれくらいコストがかかる?
まず、建て替えるためには、マンションを解体しなければなりません。解体するのに1住戸当たり400万円から500万円くらいかかります。定期借地権付きのマンションでは、将来の解体に備えて毎月解体準備金として修繕積立金に加えて徴収しています。
現在の建築費が坪100万円とすると、1住戸当たりの平均的な70㎡の3LDKの間取りで2100万円くらいのコストがかかるとすると、建て替えるのに70㎡くらいの広さで2500万円~2600万円くらい最低かかります。
現実問題として、戸数が100戸あれば、100とおりの経済事情があります。すべての人が2500万円だせるとは考えにくいと思います。経済格差のある状態で、且つ高齢化が進んで、相続している住戸も増えてきているマンションでは、かなり建て替えの難易度が高いといえます。また、中古で購入してリノベーションして購入している方は、まだまだローンの残債が残っており、ダブルローンを組まなければいけなくなってしまうことになります。
すべての人が経済的に余裕があり、かつ建て替えの意思をもって動いていくということは、かなりハードルが高いと考えます。
マンションは住み替えを前提として購入する
マンションはそもそも建て替えはできないものだという認識を持って探すことが大切です!そういう意味では、できるだけ築年数が新しいに越したことはありません。
情報が氾濫する中で、いったい何が正解なのか? 情報が増えれば増えるほど、見極めが難しくなります。わからなくなって混乱している人は、マンション選びの鉄則を参考にして、家探しを進めていただければと思っています。自分自身にキーワードがあれば、自分のアンテナに大切な情報がひかかってきます。常に意識していなければ、大切な情報は、右から左へ通り過ぎるだけで、得るものはありません。
終の棲家と思わず、住み替えを前提として購入するのがマンション選びの鉄則です。
昔は、住宅の購入は一生に一回という意識の方が、多かった気がします。 令和の時代は、その考え方は実はもう古く通用しない時代になったと痛感します。
家族の事情や家族の増減に合わせて家を住み替えていくのが、一般的になりつつあります。 そもそも、一生同じ会社に勤めるという確率はほぼない時代だと思います。私自身も、この会社にずっと勤務しようと考えて働いたことは、一度もありません。どういうスキル・ノウハウが身につくのかという目線で会社を選んでいました。人生は短く、成長できないところに滞留するのは、かなり時間のムダと考えています。
最初から「子どもは1人? いや2人? じゃあ、4LDK以上は?」と考えてしまうと必要以上のものを購入してしまい無駄な出費が増えてしまいます。
費用対効果から考えると、広すぎる家は、無駄が多くもったいない!
4LDKは無駄が多い!家賃相場とのバランスを考えることが大切です。広さは犠牲にしても、立地にこだわる方が買い換え・住み替えを前提とした場合、確実にリスクが低いと考えます。
決断ができず、不動産の購入が先延ばしになってしまい、結果的に家賃もったいないと思いながら、気が付くと、不動産が購入できるくらい家賃を払ってしまっていたと思うこともあるかもしれません。
35年の住宅ローンが常識になった今日では、返済開始が早ければ早いほど人生の後半にラクになります。スタートラインが早くなればなるほど有利な人生設計を描くことができます。結婚したら、すぐに住宅購入するのがベストな選択肢だと思います。
早く完済してしまって、その家を賃貸して、家賃収入を得ることが理想です。その家賃収入で、住み替え先の住宅ローンを支払うことができます。私自身、そのような考え方で、最初は3LDKを選ばず、2LDKを選んで購入しました。当然、2LDKの方が、コストを抑えて購入することができます。
ですので、最初から一生住むものと無理して4LDKを買う必要は全くありません。広さよりは、同じ予算であれば、より駅から近い換金性・収益性のある物件を購入すべきだと思います。
流動性(=換金性)が高い物件の目利きをして購入しないと、いざ売るときに困ります!ローンの残債よりも高く売れなければ、自己資金で埋め合わせをするしかありません。
新婚であれば、仮にマンションであれば、2LDKでも十分だと思います。駅から近くロケーションがよければ、間違いなく貸せますし、60平米弱の2LDKであれば住宅ローン減税を使えます。また貸す時もこの広さであれば、貸しやすいですし、購入希望者のマーケットも底堅いです。
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ただ、ワンルームマンションは絶対に手をださないことが大切です。売却が大変しんどくなります。ワンルームマンションは、売却時マーケットが小さく、値下がり率が高く、住み替えのためのファーストステップには不向きです。
戸建であれば、ロケーションがよければ、3LDKでもOKだと思います。戸建てだったら4LDKでないとと考える方もいらっしゃいますが、4LDKにこだわる必要はないと考えています。
経済合理性は、すごく大切だと考えています。とはいえ、家というのは、経済的な合理性だけで判断しない側面もあります。価値観に合うバランスがとれた物件に出会えると理想です。経済合理性と自分たちのこだわりのバランスは、7:3くらいにしておくのがベストだと思っていますが、人によっては、6:4くらいの様に、価値観に合わせて探していくことになります。しかし、個人的には経済合理性を無視して探すことはオススメしません。
女性の社会進出は当たり前になり、子育てしながら働いている方はかなり多く、ペアローンで購入する方もかなり多くなったと実感します。
仮にそれぞれは年収400万円台でも、2人の力をあわせて購入して、 ダブルインカムで稼いでいれば、繰り上げ返済のスピードは圧倒的に早くなります。
参考記事:マンションの不動産取引(旧法地上権・旧法借地権のマンションとは)はこちら
参考記事:マンションの不動産取引で知っておくべき分譲単価とは?1種単価とは?はこちら
マンションは10年後、いくらで売れるか考えて買う
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生活スタイルに合わせて物件を替えていくのであれば、後々売却・賃貸する時に不利な住戸は選べません。資産性がかなり重要な要素になります。生活スタイルと交通利便性・生活利便性のバランスが良い物件を選ぶのがポイントです。
基本的にマンション購入は、リスクの低い投資ですので、居住性と資産価値のバランスも考え妥協していかないといけませんが、投資の視点が抜け落ちた状態で購入すると、いざ売却しなければいけないということになったときに確実に後悔することになります。
マンション選びの鉄則 として住める・貸せる・売れるマンションです。10年後、いくらで売れるか貸せるかイメージして購入することが大切です!
購入する物件の5年後、10年後の将来(資産価値)はどうなるのか? このエリアの将来性は?いくらで貸せるのか?という点を考えながら検討することが大切です。
常に流動性(=換金性)が高い物件の目利きをすることを意識して、意思決定することが大切です。
まとめ:マンション探しの最適解とは
立て替えはほぼできないと思ってマンションを購入しないといけません。限界マンションを購入してしまうと大変なことになります。マンションは見極めが重要です。スラム化を待つだけになります。
維持管理が行き届いているマンションを購入することが大切です。
長期修繕計画にそって、計画的に修繕していくことが、マンションを長持ちさせる大切なことだからです。管理がずさんだとマンションの寿命が短くなります。安易に、管理費・修繕積立金が安いというだけで選んでもいけません。
マンションは管理が重要!
立地がよく、管理のいいマンションを選ぶ!
建て替えができるマンションの共通点は、「容積率が余っている」「住民が建て替えしてもいいと思える立地・資金に余裕がある」であることです。
立地がよく、管理のいいマンションであれば、長期にわたって住むことができるし、うまくいけば、建て替えの可能性もあるかもしれません。
建て替えの観点からいうと、既存不適格のマンションは、できる限り避けた方が無難です。
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