そのまま住める不動産売却方法「リースバック」とは 仕組みや注意すべきデメリットを徹底解説
そのまま住める不動産売却方法「リースバック」とは
「最近、ローンの返済が苦しい…」「家を売却して事業資金にしたい…」「家を売って老後のための資金を調達したいけれど、引越しはせずにそのまま住みたい…」。このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そうした悩みを解決する不動産売却方法が「リースバック」という方法です。。
「リースバック」は、住んでいる住宅(自宅)を売却し、売却後は買主から賃借することで、もとの住まいに住み続けることができる不動産の売却方式です。
通常の売却と異なり、リースバック方式で住宅を売却した場合、まとまった資金が手に入ると同時に、売却後も現在の住まいを借りて住み続けることができます。
しかも、リースバックには様々な選択肢があり、一定の条件のもと、売却した不動産(住宅)を買い戻せる権利「買戻し特約」を付けることもできます。
リースバックのうち買戻し特約を付ける場合は、元の所有者は売却先(買い取り業者)との間で取り決めた期間内に買戻し金額などを支払うことで買戻しができるという仕組みになっています。
リースバックの流れ
リースバックのお金が入金されるまでの流れを簡単に説明させていただきます。一般的には申し込み後2週間~1カ月前後で売却金が入金されます。
1.売却
リースバックを行う事業者に相談したら、まずは物件査定が行われます。提示された買取価格に合意後、リースバック業者を買主とした売買契約を締結します。売却後の所有権は、買主であるリースバック業者に移転します。
2.賃貸契約
リースバック業者を貸主とした、定期借家契約を締結します。契約期間満了前に、再契約して、居住延長できる場合もあります。 一般的には、通常の賃貸借契約同様、2年程度の契約期間で契約締結し、更新または再契約していくことになります。
3.買い戻し(買い戻しを希望する場合)
売却時に、「再売買予約権」をつけて契約できる場合もあります。買い戻し時に、売買契約を締結します。
通常の不動産売却との違い
通常の不動産売却では、売却後はご自宅を手放し、新居の住宅購入もしくは賃貸で引越さなければなりません。
リースバックでは、売却後も転居をせずに住み慣れたご自宅に住み続けることができることが特徴です。
所有者が不動産業者になるので、当然、固定資産税は発生しません。賃貸で住むのと同じく固定資産税などの維持費の負担がなくなります。将来的には買い戻し特約を付けた場合、再度購入をすることも可能です。
リースバックのメリット
リースバックの概要を踏まえたうえで、リースバックのメリットについてご説明いたします。
使いみち自由な資金が手に入る
リースバックを利用するメリットは売却することでまとまった現金が手に入ることです。使いみちは自由なので、何かの返済資金が必要な場合に、住み慣れた家で暮らしながら資金を得ることができます。
シニア向けのリバースモーゲージとは違って完全に売却して、所有権は移ることになります。そして、土地付きの戸建てだけでなく、マンションも対象になる点でも利用しやすいといえます。
売却をしても、現在の住居に住み続けられる
リースバックは、売却をして売却収入を得た後も、そのまま現在の住居に住み続けられます。愛着のある自宅にそのまま住み続けられるのは大きなメリットとして挙げられるでしょう。
将来的に買い戻せる可能性がある
「再売買予約権」をつけて契約できる場合には、将来的に買い戻せる可能性もあります。リースバックを活用しつつも、将来、考えが変わり可能であれば買い戻しをしたいと考える方かもしれません。また、住宅ローンを組める子供が購入を検討しているというケースもあるかもしれません。このような場合には、具体的に買い戻しの取り決めを行い、リースバック業者が売主となる売買契約を改めて締結します。
買取なので、現金化が早い
リースバック業者が買主となるため、一括現金買取となります。そのため、住宅ローン審査などの手間がかかる一般的な不動産売却と比べると、現金化までの期間が早いと言えます。
引っ越しが不要になる
一般の売却においては、当然引っ越しが必要ですが、引っ越しには時間と費用が掛かります。リースバックは、引っ越しの必要がなく、今まで通り自宅での生活を継続できます。
売却を周囲に知られずに済む
売却したことが周囲に知られると、その理由を詮索する人も現れます。しかし、リースバックでは、自宅売却した後も、今まで通り自宅での生活となります。そのため周囲に知られずに、売却を進めて売却収入を得られるという点もリースバックのメリットでしょう。
リースバックのデメリット
メリットが多いリースバックではありますが、もちろんデメリットやリスクもあります。その内容について、解説していきます。
売却金額が相場以下になることが多い
リースバックにおける売却金額は、買取が相場より安くなるのと同じで、周辺相場以下となります。物件にもよりますが、一般的には、周辺相場の60~80%程度が目安です。周辺相場よりも低くなる理由は買取が安くなる理屈と同じです。また、リースバックが通常の買取価格より低くなるのは、リースバック業者が、賃料収入を得る投資用不動産として査定し、利回り重視で考えるためです。また、リースバック期間終了後の不動産市場に変化が生じている可能性もあるため、その損失回避も考慮した買取価格となります。その分、買取価格は低くなります。
リースバックでの買取売却は、通常の買取価格よりも低くなる傾向があります。
リース料(家賃)が相場より高くなることが多い
リース料(家賃)が周辺類似物件よりも高く設定される傾向があります。リース料(家賃)は、周辺家賃相場から設定されるのではなく、あくまでリースバック業者の買取価格に対する利回りを考慮して設定されるためです。
修繕費は借主負担と定められている場合がある
通常の賃貸契約では、通常損耗による設備の故障などにかかる修繕費は貸主負担となっていることが多いものですが、リースバック契約の場合、特約で「設備などの修繕費は借主負担」と定められているケースがほとんどです。賃貸借契約締結時に、修繕費や退去時の原状回復費の負担区分がどのように特約に定められているかをきちんと確認する必要があります。
買い戻し時に売却時より高くなることが多い
買戻し前提でリースバックを利用する人もいます。しかし、再度、購入となるとその時の相場での買戻しとなります。また、売主がOKしなければ購入することはできません。買い戻そうとしたタイミングで、考えていた価格よりもはるかに高額になっていたり、所有者が売却に応じない可能性もあります。
買い戻しを検討している場合には、買い戻し時に売却時より高くなる可能性が高いことに留意が必要です。物件にもよりますが、目安としては売却価格の1.2~1.3倍程度くらいは、覚悟しておかなければいけません。仮にありえないですがすぐに買い戻したとしても、リースバック時の売却価格が仕入れ値だとすると、買い戻し時の売却価格は仕入れ値に利益をのせて売り出されることになります。だから、買い戻し時には、売却時よりも高い価格となるのです。
買い戻しのハードルが非常に高い
買い戻しはリースバックのメリットでもありますが、現実的には金銭的ハードルが高くなります。また、売却した金額より高く買わないといけなくなるので損した気分になります。
ずっと住み続けられるとは限らない
リースバックは住み慣れた自宅に売却後もそのまま住めるのがメリットです。しかしリースバックで賃貸借契約を結ぶ際、ほとんどの場合は『定期借家契約』で結ばれます。定められた契約期間が満了した後も再契約は可能ですが、再契約が保証されているわけではないことに注意が必要です。定期借家契約だけではなく、普通借家契約が選べる買取業者(リースバック)であれば安心です。
リースバックを上手に活用できるのはどんな家?
今すぐに売却したほうがメリットになるケース
将来的に値下がりすることが目に見えているような家の場合、早めに売ってしまったほうが得られる現金は大きくなります。すぐには引越せないけれど、20年後、30年後に売却に困るような物件なら、今売却してしまうほうがトクな場合もあります。将来的に値下がりすることが目に見えているような家の場合、早めに売ってしまったほうが得られる現金は大きくなります。
その他の不動産を活用する一般的な資金調達方法
●不動産担保ローン「リバースモーゲージ」
「不動産担保ローン」とは、ご自宅等の不動産を担保に、一括で融資を受け毎月元本と利息を支払う資金調達方法です。
所有権が移転しない代わりに、元本と利息の支払いが毎月発生します。
リバースモーゲージとはどう違う?
所有している不動産を活用して現金を得る方法として、ほかにリバースモーゲージという方法があります。利用後も自宅に住み続けられるという点で、同じように感じられるリースバックとリバースモーゲージですが、大きな違いがあります。
そのため、住み続けている状態は同じですが、リースバックは「不動産会社等の所有になった住宅に家賃を払って住んでいる」、リバースモーゲージは「金融機関の担保に入っているが自分が所有している住宅に住んでいる」ということになります。
まず、一番の違いは「売却時期」です。リースバックの場合は、不動産会社等と契約した際に自宅の売却が行われます。一方、リバースモーゲージは契約者が亡くなった後、残債の返済のために売却されます。
●任意売却
「任意売却」とは、競売の一歩手前で、不動産を売却しても債務が残ってしまう状況で、債務者と債権者(お金を貸した側)の間に専門の不動産仲介会社が入って調整を行い、不動産を競売にかけずにそこそこ納得のいく価格で売却し取引を成立させて、結果的に競売より高く売り少しでも状況を好転させる方法です。
通常売却の場合、債務の返済を、売却と同時にしなければならず、残債を下回った不足分を自己資金で出さないと売ることができませんが、「任意売却」であれば分割返済が可能になるケースがあります。
REAL BANK
未来の価値ある住文化を創造する
アーバン・サイエンス株式会社
〒564ー0063
大阪府吹田市江坂町1丁目16番10号 メゾン江坂102
TEL 06-6155-4980
E-mail:info@realinfobank.com
【当社HP】
https://www.realinfobank.com/